UoPeopleで取れるコンピューターサイエンスの学位や費用について解説

公開 更新) 学生生活

コンピューターサイエンスを学び直したい/学位が欲しい!

本記事ではこのような方に向け、50万円ほどでコンピューターサイエンスの学士号が取れる大学「University of People」の概要を紹介します。

University of Peopleはアメリカで運営されている大学で、学費無料かつ完全オンラインで学位を取得できるという特徴があります。

また、同大学には単位移行制度もあるため、他大学などで取得した単位をうまく合わせられれば学士号を4年以下取得することも可能です。

University of Peopleとは

この項目では、University of People(以下、UoPeople)の概要を紹介します。

通信制の学費無料大学

University of Peopleとはアメリカの通信制大学で、特徴としては以下の3点が挙げられます。

  1. 学費無料
  2. 試験含めすべてオンラインで実施
  3. 5学期制なので思い立ったらすぐ入学できる

UoPeopleでは学費や教材費といった費用がかからず、かかるのは出願手数料と各科目の試験料のみです。

また、授業はもちろん試験もオンラインで完結する大学なので、日中忙しい方が学位を取得しやすい所もメリットです。

なぜ学費無料なのか

しかしなぜ、UoPeopleでは高等教育を学費無料で提供できるのでしょうか。

TED Talkや公式サイトなどの情報によると、

  1. 校舎を持たないこと
  2. 就職に強い学部のみの運営
  3. ボランティアの起用

こうした取り組みがコストの削減につながっているようです。

UoPeopleは怪しい?

「学費無料で通える大学」と聞くと怪しさを感じるかもしれません。

しかし、UoPeopleは「大学単位認定審議会(CHEA)」「遠距離教育単位認定委員会(DEAC)」などから大学として認可されている機関です。

他にも、同学はマギル大学や、ニューヨーク大学アブダビ校など世界のトップレベルの大学ともパートナーシップを結んでおり、学生の成績や学位などに応じて多大への編入学もできる仕組みが整っています。

上記の点を踏まえると、通信制大学かつ学費が無料であるという点を除けば、UoPeopleはアメリカの大学の基準に沿っており、他大学からも評価されている「まともな大学」と言えるのではないでしょうか。

コンピューターサイエンス学部で取得できる学位

次に、コンピューターサイエンス学部で取得できる学位や卒業要件について触れます。

準学士号と学士号

コンピューターサイエンス学部の場合、University of Peopleで取得可能な学位は以下の2つです。

準学士号は一般的にコミュニティカレッジや専門学校が提供する2年間のプログラムで、準学士号の取得後は学士課程に進むことも可能です。

一方、学士号は4年制大学に通って得られる学位のことを指します。

卒業に必要な条件

UoPeopleのコンピューターサイエンス学部における卒業要件は以下の通りです。

準学士号:

  • 60単位以上の取得
  • 全科目のCGPAが2.00以上であること
  • 専攻分野のGPAが2.00以上であること
  • 25ターム内に卒業要件を満たすこと
  • proctored exams(監督付き試験)を5以上完了すること

学士号:

  • 120単位以上の取得
  • 全科目のCGPAが2.00以上
  • 専攻分野のGPAが2.00以上
  • 60ターム内に卒業要件を満たすこと
  • proctored exams(監督付き試験)を12以上完了すること

文字数の都合上、今回は「CGPA」「監督付き試験」といった細かい条件についての補足は割愛させていただきますが、各卒業要件について詳しく知りたい場合は公式サイトをご覧ください。

単位移行制度について

University of Peopleには、過去に高等教育機関などで得た単位を移行できる制度があります。これにより、既に大学などの単位がある場合は卒業を早めることも可能です。

大学以外で得た単位も移行できる

移行できる単位は大学で得たものだけではなく、主に北米の高校で見られる

  • APコース(大学レベルの授業を高校で受けられる制度)の単位
  • 国際バカロレアの単位

なども含まれます。

また、CourseraやSophiaといった所で受講したオンラインコースも単位として認められることがあるため、単位移行のやり方によっては2年で学士号を取得することなども可能です。

単位移行の注意点

ただし移行可能な単位数には上限があり、準学士課程の場合は最大45単位、学士号の場合は最大90単位までです

また、アメリカ以外の国の教育機関で取得した単位は、UoPeopleに単位移行を依頼する前にNACES」または「AICE」のメンバー機関に評価を依頼する必要があります。※

※この手続きの説明が結構ややこしいので、詳しくは他記事にてまとめます。

費用について

次に、University of Peopleでかかる費用について紹介します。

出願手数料と試験料は有料

University of Peopleの学費は無料ですが、出願手続きを行うときと試験を受けるときにお金がかかります。

2021年12月現在、出願にかかる費用と試験料は以下の通りです。

  • 出願料:$60
  • 試験料:$120/科目
  • 単位移行費:$17/科目

なお単位移行費とは、他大学などで取得した単位をUoPeopleに移行するときにかかる費用です。

卒業までにかかる費用

UoPeopleでは1科目の修了につき3単位が得られる仕組みです。

これを単純に計算していくと、準学士課程の場合は$2,460*、学士課程の場合は$4,860*かかる計算になります。

さらに2021年12月現在のレートで円に換算すると、準学士課程は合計28万円、学士課程は合計約55万円という計算です。

ただしこれはすべての単位をUoPeopleで取得した場合の計算なので、単位移行した場合はもう少し安くなりそうです。

日本の国公立大学の学費は年間で50万円くらいなので、これはとてもお得ですね!

*準学士内訳:出願料$60+(試験料$120 × 20科目)、学士号内訳:出願料$60+(試験料$120 × 40科目)

社会人がCS学位を取るなら「University of People」

本記事では特に学費の安さに注目してUoPeopleを紹介させていただきましたが、その魅力はただ学費が安いだけではありません。

UoPeopleでは他にもオンラインで授業を受けられる・入学のタイミングも1年に5回あるなど、学生のスケジュールにあわせて学業を並行できるという利点があります。

このようなメリットからも、社会人がCSの学位に挑戦するにあたってはUniversity of Peopleが有力候補となるのではないでしょうか。

 

— ひとこと —

筆者も先ほどUniversity of Peopleの出願を終えましたが、学期が始まるのがとても楽しみです!

情報系の学位取得を検討するにあたり、日本の通信制大学も少し調べましたが

  1. 学費の安さ
  2. そもそもコンピューターサイエンス領域はアメリカの方が進んでいる
  3. 将来的に海外で修士進学も考えたい

という点から検討すると、University of People以外の大学は考えられませんでした。

なお、授業内容や出願手続きについても、学期がはじまり次第本ブログの当カテゴリにて色々レポートを投稿できればと思います。

参考: